切削加工用クーラント液生成の現状
・クーラント液は、金属製造業における旋削加工、フライス加工、穴あけ加工等に必要であり、ものづくり産業の基盤を支えています。
・金属切削加工におけるクーラントは高い冷却効果、研削や研磨工程の潤滑および防錆、切りくず付着防止などで効用を発揮します。
・水溶性切削剤を使ったロングツイストドリルによる深穴加工への高圧クーラント適用が進められています。
・人手によるクーラント液混合では、混合ムラがある場合には切削加工品質に影響します。また、人の工数も必要となります。
最適で正確な希釈率のクーラント液の供給維持の必要性
・水溶性油剤は、水に切削油を希釈して使用しますので、所定の希釈倍率決定及び的確な希釈液の作成が非常に重要になります。
・従来の希釈液の作成は、所定量の水を張り込んだ後に原液を攪拌しながら添加し濃度調整をしていきます。
・そこで、クーラント液を指定の濃度で簡単に作ることができ、自動供給可能な手段が求められています。
・また、機械加工装置の高性能化に伴い長時間無人運転が増えていますが、クーラント液の交換だけが人手により行われている工場が多く、無人運転のボトルネックの一つとなっています。
・クーラント液を適時に交換することが加工品質維持に必須ですので、切削油補給の自動化、補充時期監視・報知機能が求められています。
流体混合技術によるナノバルブ含有クーラント液自動供給装置(自動ミキシング装置)
加工機の外部にミキシング装置を設置します。切削品質を左右する良質のクーラント液供給・補給の自動化のための装置です。マシニング加工現場の自動化において、クーラント液の補給の自動化が取り残されている場合が多いのですが、本製品の導入によりクーラント液補給のダウンタイムが減り、24時間稼働実現に貢献します。
A型の仕様 |
T型の仕様 |
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オプション機能
自動ミキシング監視システムは、原液切れ、加工機停止状態を検出して遠隔の携帯端末に情報を送信します。
自動クーラント液濃度測定装置は、クーラント槽の濃度を連続測定します。自動ミキシング装置の吐出濃度は手動で設定します。
クーラント液自動生成装置は生産現場の様々なニーズに応えます。
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環境負荷を低減できます。
・クーラント液は使用している間に水が蒸発しますが、このミキシング・ガンを使用して濃度の薄いクーラント液を補充することにより切削油は30~50%削減できます。
・その結果、稼働率の高いマシニングの場合、60万円/年の切削油代を削減します。 -
切削加工の生産性を向上できます。
・生産性の高い切削加工には、水溶性油剤の希釈倍率の決定、及び的確な希釈倍率の希釈液の作成が非常に重要です。
・本製品により生成された良質なクーラント液は多量のナノバルブを含みます。加工面粗と工具寿命が20%~30%改善された例もあります。
・クーラント用ミキシング・ガンは比較的安価な製品です。
・機械加工時の切削用クーラント液を指定の濃度で簡単に作ることができます。
・水と切削油の効果的な自動調合と補給を自動化できますので加工現場の稼働率向上、生産性向上が可能です。
・休止中の油下がりがないため、クーラント液供給開始と同時に所定濃度のクーラント液が供給されます。 -
安全性と安全機能
・水道水圧(0.4Mpa)を利用するので安全です。これ一台で数台の機械加工機に手作業でクーラント液の補充が可能です。
・油タンクの液がなくなると供給を停止し、警告ランプまたは警告音で知らせます。
・クーラント液がオーバーフローする前に警告を発します。自動ミキシング装置の構造
クーラント液の濃度調整を適切に行うミキシングの構造。
- エジェクター効果を利用しています。水道水の水圧を活かして切削油(原液)を吸い上げ、水と切削油を設定濃度に自動混合します。
- 水道水圧は0.3Mpa以上の水圧があれば所定濃度のクーラント液を生成します。
クーラント液の供給・補給を自動化するための構造。
- クーラント槽の液面高さを2点式液面計により検出し、オーバーフローを警告します。
- 油タンクの液面計の信号を監視して、原液切れを警告します。
エジェクター効果によりナノバルブを含有するクーラント液を自動生成します。
・微細な気泡であるマイクロバブルを含有する加工液を適用したマイクロバブルクーラント法は,穴あけ,旋削加工および研削加工に適用すると工具寿命を向上させ得ることなどの効果が期待される(「マイクロバブルクーラントの研削液浄化効果」、砥粒加工学会誌 / 56 巻 (2012) 7 号)
・本システムでは、60分撹拌と同等のナノバルブを発生させており、高寿命向上と、切削加工品質向上に効果を発揮します。