
マシニング工程においてクーラント液補充が完全自動化の足かせになっていませんか。
人手によるクーラント液の混合ムラは加工品質に影響します。
切削油の経費低減で1~3年でペイバックできるクーラント液自動生成装置を低価格で提供できるようになりました。
1.自動ミキシング装置の構造

水道水圧によるエジェクター効果を活用し、所定の濃度になるように油を吸い上げ、水と油をミキシングして、クーラント液を自動で生成・補給する装置です。動力は使っていません。
生成されたクーラント液は完全にエマルジョン化され、多くのナノバブルを含みますので、加工粗さ精度や工具寿命の向上に寄与します。また、自動的に適切な濃度を管理ができるため切削油削減と人件費削減につながります。
弊社はもともと手動式クーラント液生成(ミキシング・ガン)を製造・販売していたが、2017年にクーラント液自動生成装置A型を発売し、その後、2018年にトヨタ規格に合致したT型を発売しました。
2.T型(丸形)自動ミキシング装置の仕様

- 濃度調整範囲:1%~10%(5%~20%も選択可能)(水圧 0.22Mpa以上で濃度維持)
- 液面計の高さ調整機構により取り付けは自在です。
- 2点式液面計標準ストローク:40mmまたはタワー式液面計の選択も可能。
油側液面計による油切れ警告機能、停止機能付き。パトライト設置可能。 - オーバーフロー警告機能、停止機能付き。
- 大きさ:幅322mm × 奥行430mm × 高さ760mm
- 乾燥重量:20Kg
- 給 水 ホース:内径15mm、長さ5m(給水側バルブおよびニップルはご用意下さい)
- 電源:AC100V、5A、コード長5m(電源はご用意下さい)
- 一斗缶、ポリタンク、ペール缶が使用可能です。特別仕様で、ドラム缶にも対応可能です。
- 制御系統がDC24V
- オプション:自動ミキシング監視装置に接続可(※)
- オプション:自動クーラント濃度計測装置に接続可(※)
(※) 価格、その他仕様等につきましてはお問合せ下さい。
3.自動ミキシング装置の特徴
3-1.広範囲な濃度設定(油の混合比)が可能。
2種類の濃度設定範囲があり選択できます。
・スタンダードタイプ: 1~10%
・高濃度タイプ : 5~20%の範囲で選択できます。
ただし、水道供給圧が0.22Mpa以上ないと上記濃度を維持するのが困難です。
また、濃度設定は屈折率濃度測定器で計測しながら、濃度が薄い合には反時計回りに1/8回転、濃い場合には時計回りに1/8回転して目標値に近くに調整する必要があります。
3-2.生成されるクーラント液の品質が高い(エマルション、ソリュブル、ソリューション)
水と水溶性油が完全に混合され、長時間放置しても殆ど分離しません。しかも、生成されたクーラント液中には多くのナノバブルを含み、工具寿命および粗さ精度が10~30%改善されます。
下図はナノバブルの発生状態を試験した結果を示す。

3-3.油の節減による経済性が高い
刃物と被加工品の摩擦接触部は500℃以上の高温になります。これを冷却するためクーラント液が加工機を循環しますが、循環中にクーラント液の水分が蒸発します。また、切削切子や研削粉を回収する際にクーラント液が消費されます。
クーラント液の補給は目標の50~60%程度まで薄くして補給することが良いことが実績として得られています。
例えば、クーラント液濃度を8%に維持したい場合には補給する自動ミキシング装置の濃度を5%に設定すればよく、そのように設定できれば、稼動率が高いマシニングでは18~30万円/年の油費用が節減できることになります。

また、濃度の薄いクーラント液を補給することにより、クーラント槽内がリフレッシュされ腐敗が少なく、更にフラッシング(クーラント液の総入れ替え)の頻度も少なくなります。この他、クラント液補給の作業性の効率化を合わせると年間の経費削減でイニシャル価格をペイバックできる。
3-4.安全装置を装備しています
①油切れ警告機能
容器内の油が無くなった時に速やかにミキシングを停止し、ランプ点灯もしくはブザー(90dB)を鳴らします。稼動し続けると水だけが供給され、クーラント液が不本意に薄くなり、面粗度などの加工不良を招くからです。尚、ランプ、ブザーだけでなくパトライトでの警告も選択できます。
②オーバーフローの警告機能
ミキシング装置にトラブルが発生したり、クーラント槽からクーラント液がオーバーフローした時に、速やかにミキシングを停止し、ランプ点灯もしくはブザー(90dB)を鳴らします。
この警告は、油切れ警告と回路が併用されているため、オーバーフローによる警告も同時にチェックする必要があります。
オーバーフローは加工機を停止した時に、クーラント液循環プロセス中の多くの残液がクーラント槽に戻り、水位が上がり、オーバーフローし、警告を発する場合もあります。この場合は2点液面計の位置をオーバーフローを生じない位置まで調整する必要があります。
③給水側と油吸い込み側にそれぞれ電磁弁を配置しています
これによりミキシング停止状態での油下がりを防止しました。油下がりがあると、ミキシングが再起動した当初は水だけが供給され、クーラント液が不本意に薄くなるからです。また、ミキシングが停止すると同時に給水側と油側の電磁弁が閉じるため、水道水側に油が逆流することがなくなり、水道法に抵触しない構成となっています。
4.設置取り付け事例
一般的には、一台のマシニングに対して一台を設置する分散型(インテグラル型、セパレート型)が基本型であるります。しかし、複数台の加工機をサイホン的に接続するスタンドアロン型も対応が可能でです。
また、油タンクはポリタンク、ペール缶、一斗缶が基本構成ですが、油タンクとしてドラム缶に対応することも可能です。

更に、集中型のク-ラント液供給システムにも対応できますのでご相談下さい。

5.オプション機能
5-1.自動ミキシング監視装置
①複数数台の自動ミキシング装置をパソコン上でエクセルによる統括管理し、携帯に必要情報をメールすることが可能です。
【メール送信内容】発生時刻、装置番号および以下のメッセージが送信されます。
・油切れ・オーバーフローのメール通報。
・油タンク交換の再警告。
・加工機との通信不能。(自動ミキシング装置の電源確認)
・加工機との通信が復旧。
・加工機の停止状態の通報。
・加工機の再稼動。
②パソコン画面では各種設定ができます。またリアルタイムの濃度が表示されます。それによりクーラント液の濃度管理が容易となります。(下左図は管理画面の例)

③エクセルシートに全ミキシング装置に関する1ヶ月分の油の消費量、油の削減費用、平均濃度、稼動状況が記録され、月初めに更新されます。このデータを見ることにより、月単位の油の在庫管理が容易となります。(上右図)

5-2. 自動クーラント液濃度測定装置
クーラント液の正確な濃度を測定できるのは屈折率濃度計しかないのが現状です。しかしながら、このような屈折率濃度計は長期にわたる連続計測が困難です。それはプリズム部分が汚れて屈折率が変化するからです。
したがって、長年クーラント槽の濃度を測定して、目標の濃度に近ずける完全自動のクーラント生成装置が求められておりました。
そこで開発されたのが、自動ミキシング装置と連動し、吐出側の濃度とクーラント槽の双方の濃度を自動切換えで連続測定できる装置です。インライン型屈折率濃度計を通過するクーラント液流れを強制対流とし、プリズムに汚れが付着しにくい構造としたことが特徴です。

6.当装置の関連特許
自動ミキシング装置は以下の実案・特許で保護されています。
実用新案登録3211849号
特願2017-121075
特願2017-205127
実用新案登録3214614号
実用新案登録3215779号
実用新案登録3216924号
実用新案登録3216910号
実用新案登録3217289号
実用新案登録3217525号